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スマート水産業の補助金(水中ドローンに使えるか)

更新日:2026年9月26日

※この記事は、個人が運営する情報サイトの記事です。水産庁その他の公的機関、漁業協同組合とは関係ありません。

今年度(令和8年度)の募集は9月11日で締め切り済み。次の募集は未定。(確認日:2026年9月26日)

はっきり言えること:水産庁には「スマート水産業普及推進事業」という、水中ドローンを含むスマート機器の導入を支援する国の制度が実在する。令和8年度(2026年度)の案内チラシ・公募要領(一次資料PDF)で、対象機械の区分に「ドローン」があり、商品例として「水中ドローン」が名指しで挙がっていることを確認した。助成率・上限額も確認済み(3章)。ただし申請は漁業者・養殖業者が直接ではなく、都道府県の窓口を通す仕組みになっている。

まだ分からないこと:水中ドローンを含む個別の機種が実際に「対象機械」として採択されるかどうかは審査しだいで、区分に載っているからといって必ず助成が受けられるわけではない。次回の公募時期、都道府県・市町村独自の上乗せ補助の全国的な網羅、令和8年度時点の「機械等登録」の最新リストは未確認。

結論(先に伝えます)

「スマート水産業の補助金」と一言でいっても、水産庁だけで複数の制度があり、年度ごとに公募の時期・内容が変わる。この記事で扱うのは、水中ドローンのような機器の導入に一番関係が深い「スマート水産業普及推進事業」(事業実施主体=事業の事務局を務める一般社団法人マリノフォーラム21)。

今年度(令和8年度)の機器導入・助成金交付申請の公募は、令和8年8月17日〜9月11日正午ですでに締め切られている(2026年9月26日にサイトで確認)。次回の公募がいつになるかは、現時点の一次情報からは分からない。

これは「今すぐ安くなる制度」ではない。ただ、次回の公募に間に合わせたいなら、今のうちに所属都道府県の窓口・伴走者(=導入の相談役。普及員・水産試験場の職員・漁連や漁協の職員など)に相談しておくのが近道になりそうだ。導入計画づくりには時間がかかるため、公募が始まってから動き出すより前倒しで進めやすい。

場面別の早見表

場面使える可能性内容
個人の養殖業者・漁業者が国の制度で機器を導入したい直接申請はできない都道府県の「事業実施機関」(=都道府県ごとの申請の窓口・とりまとめ団体)を通す仕組み。まず所属する漁協・都道府県の水産担当課に相談するのが最初の一歩
漁協・漁連などの団体として、組合員向けのサービスとして導入したい(サービス提供タイプ)可能性あり(要確認)助成率1/3〜2/3・上限1,000万〜1,500万円(区分は3章参照)。ただし漁協・漁連が自分たちの漁業・養殖業のために導入する場合は、このタイプは対象外。今年度の公募はすでに締め切り済み
漁業者本人として1者で導入したい(導入利用タイプ)可能性あり(要確認)助成率1/3〜2/3・一者あたり上限300万〜500万円(区分は3章参照)。今年度の公募はすでに締め切り済み
水中ドローンを扱う企業・サービス事業者として導入したい可能性あり(要確認)サービス提供タイプの「民間企業」区分に該当し得る。対象機械かどうかは審査しだい
令和8年度に新規で申請したい通常は難しい機器導入の公募は令和8年9月11日正午で締め切り済み(2026年9月26日確認)。次回時期は不明
都道府県・市町村独自の上乗せ補助を使いたい地域によってはあり得る(6章参照)全国一律の制度ではない。確認できた3件を6章で紹介。他の地域は各市町村・都道府県に個別確認

1. 「スマート水産業普及推進事業」とは何か

水産庁が実施する、漁業・養殖の現場でスマート機器(IoT・センサー・水中ドローンなど)の導入を後押しする事業。正式名称は令和8年当初予算事業「スマート水産業普及推進事業」で、実施主体(=事業の事務局)は水産庁そのものではなく、水産庁から選ばれた一般社団法人マリノフォーラム21という団体。

助成対象になる機械の例として、案内チラシには「ドローン」の区分がはっきり載っている。取組内容は「網の点検・へい死魚の回収除去を遠隔で実施」、商品例として「水中ドローン(水上・空中も取組内容によっては対象とする)」と明記されている。水中ドローンは名前入りで対象機械の例に挙がっている。ただし、区分に載っているからといって必ず助成が受けられるわけではなく、実際に対象になるかどうかは審査しだいである点は変わらない。

事業には大きく2つのタイプがある。

出典:スマート水産業ナビ「令和8年度 スマート水産業普及推進事業 案内チラシ」・「公募要領」(参考資料一覧を参照)

2. 申請するのは自分ではなく「都道府県の窓口」

ここが一番の注意点。令和8年度の公募ページには、次のようにはっきり書かれている。

機械購入申請は、すべて事業実施機関からの申請となります。事業実施者(機械購入希望者)は、所属の都道府県の事業実施機関にご相談ください。

出典:スマート水産業ナビ「(R8)スマート水産業推進事業の助成金交付申請の公募について」

つまり、水中ドローンを買いたい漁業者・養殖業者本人が、水産庁やマリノフォーラム21に直接申請書を送る仕組みではない。まず所属の都道府県の窓口(事業実施機関)に相談し、そこを通して申請する、という2段構えになっている。

流れを図にすると、水産庁 →(補助)事業実施主体(一般社団法人マリノフォーラム21)→ 各都道府県の事業実施機関(原則、各都道府県のとりまとめ団体。デジタル化推進協議会など)が県内の導入計画をまとめて申請、という3段階。さらに現場では、伴走者(普及員・水産試験場職員・漁連や漁協の職員・大学教員など、講習を受けた人)が、導入計画づくりを手伝ってくれる。案内チラシによると、伴走者がしてくれることは次の4つ。

伴走者がいると確認できた都道府県(令和8年7月時点、33都道府県):北海道、岩手、宮城、秋田、山形、茨城、千葉、神奈川、富山、石川、福井、静岡、三重、京都、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、島根、岡山、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄。事業実施機関の一覧は、水産庁のページに掲載されている。

3. 補助率・上限額(令和8年度)

サービス提供タイプ(漁協・漁連、民間団体、民間企業が事業実施者。新規起業者も対象)

助成率上限額(一者あたり)条件
1/31,000万円基本
1/2※1,000万円導入する機械等で資源評価・管理や漁場環境把握の高度化、養殖業成長産業化に役立つデータを集め、国等の試験研究機関に提供する場合
2/3※※1,500万円上記に加え、水産高校等の教育機関にデータ提供・現場見学・特別授業等を行う場合(連携協定が必要)

導入利用タイプ(漁業者本人、漁協・漁連・漁業生産組合などが事業実施者。1者での導入も対象)

助成率上限額(一者あたり)条件
1/3300万円基本
1/2※300万円サービス提供タイプと同じ条件
2/3※※500万円サービス提供タイプと同じ条件

出典:スマート水産業ナビ「令和8年度 スマート水産業普及推進事業 案内チラシ」「公募要領」(別表1)(参考資料一覧を参照)

まだ分からないこと:この助成率・上限額の区分に「水中ドローン」がそのまま当てはまるかどうかは、実際の申請内容と審査の結果しだい。

4. 令和8年度のスケジュール(すでに終了)

時期内容
2026年8月17日〜9月11日12:00機器導入・助成金交付申請の公募(マリノフォーラム21)
2026年8月25日14:00〜15:00オンライン公募説明会

次回いつ公募が開くかは、現時点の一次情報からは分からない。気になる人は、下記の水産庁・マリノフォーラム21のページを定期的に確認するか、直接問い合わせてほしい。

問い合わせ先:一般社団法人マリノフォーラム21(開発部、電話 03-6280-2792)

今年度の公募には間に合わなくても、次の公募に向けて今からできることがある。

5. もう一つの制度:養殖業向けの実証事業

水産庁には、機器の「導入」ではなく「実証(試す)」を支援する別の制度もある。「養殖業成長産業化提案公募型実証事業」は、新しい技術の実証にかかる費用の1/2まで(上限5,000万円)を補助する制度で、対象は民間企業・NPO・協同組合・養殖経営体など。水中ドローンそのものの購入というより、水中ドローンを使った新しい養殖の実証実験のような取組に向く制度と考えられる。この記事では制度名の紹介にとどめる。

出典:水産庁「養殖業成長産業化提案公募型実証事業」

6. 都道府県・市町村独自の補助(確認できた3件)

国の制度とは別に、都道府県が独自に、漁業・養殖の設備投資を支援する補助金を持っていることがある。全国一律の制度ではなく、地域ごとに名称・対象・金額がまったく違うため、確認できた範囲だけを「例」として紹介する。この3件以外にも制度がある可能性は高い。自分の地域について知りたい場合は、都道府県・市町村の水産担当課に必ず個別に確認してほしい。

地域制度名(年度)対象機器補助率・上限額募集期間状況(確認日:2026年9月26日)
京都府 令和8年度 スマート農林水産業実装チャレンジ事業補助金 「ドローン(空中、水中)」と明記。水質自動観測装置・養殖場監視システムなども対象 個別経営体は10分の3以内、その他は10分の4以内(中山間地域は10分の4.5以内)、上限400万円 令和8年度分は募集終了 締め切り済み
和歌山県 令和8年度 スマート水産業推進事業(二次募集) 補助金交付要綱の別表に掲げる機器等(ページ本文に水中ドローンの名指しはない。対象になるかは要綱の別表で要確認) 補助率3分の1以内、上限200万円 令和8年8月6日〜12月18日 受付中(2026年9月26日確認・二次募集。対象者など詳細は交付要綱で要確認)
島根県 令和8年度 水産業省エネ・省コスト機器等導入緊急支援事業 「ドローン」「魚群探知機」「ソナー」「GPS受信機」「自動操舵装置」「エンジン」「電動リール」「LED灯」など(水中か空中かの明記なし) 補助率2分の1以内、上限1,000万円 令和8年7月2日〜8月28日 締め切り済み

まだ分からないこと:市町村単位(都道府県より小さい単位)で水中ドローン・スマート水産機器に直接使える補助の実例は、今回の調査では確認できなかった。「実例は確認できていない」という位置づけ。上記3件はいずれも都道府県単位の制度。

立場別・確認することリスト

自分で水中ドローンを導入したい養殖業者・漁業者向け

  1. 国の補助を使いたいなら → まず所属する漁協、または所属都道府県の水産担当課(事業実施機関)に相談する。自分から水産庁・マリノフォーラム21へ直接申請するものではない
  2. 今年度(令和8年度)の公募はすでに9月11日で締め切り済み(確認日:2026年9月26日)→ 次回の公募時期を、水産庁・スマート水産業ナビのページで定期的に確認する
  3. 水中ドローンは対象機械の例としてチラシに名前が挙がっているが、実際に採択されるかは審査しだい。区分に載っているから確実にもらえる、とは考えない
  4. 次回公募に備えて、今のうちに所属都道府県の伴走者(=導入の相談役)の有無を確認し、いれば相談しておく
  5. 都道府県・市町村独自の補助があるか → 6章の3例を参考にしつつ、所属地域の水産担当課に個別に確認する

漁協の職員向け(組合員から補助金の相談を受けたとき)

  1. 「補助金を使って水中ドローンを買いたい」と相談されたら → 国の制度は都道府県の事業実施機関(=申請の窓口)を通す仕組みであることを伝え、都道府県の窓口への相談を案内する
  2. 今年度の公募はすでに9月11日で締め切られていることを伝え、次回の公募時期は水産庁・マリノフォーラム21のページで確認するよう案内する
  3. 助成率・上限額は令和8年度の一次資料で確認済み(サービス提供タイプ/導入利用タイプで数字が違う。3章参照)だが、実際に対象になるかは審査しだいであることも併せて伝える
  4. 次回公募に向けて、所属都道府県の伴走者に早めに相談しておくよう案内する
  5. 都道府県・市町村独自の補助については、6章の3例を参考にしつつ、所属自治体の水産担当課に個別に問い合わせるよう案内する

次の記事:国産の水中ドローンの紹介(準備中)

参考にした公的な資料(確認日:2026年9月26日)

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